奴隷の夢
あなたは合コンをしたことがあるだろうか?
したことがあるとして。勝っただろうか?
合コンで勝ちたい、多くの人が願うことだろう。
勝利には然るべき理由がある.逆もまた然りである。
Q.では勝つためには何が必要か?
A.環境構築。
合コンは相対評価である。
例えば小栗旬を連れにしようものなら小栗旬に全部持っていかれるに決まっている。小栗旬よりも魅力的に振る舞うことができるはずもない。
あなたはレンタルおじさんというサービスをご存知だろうか?
1時間1000円でおじさんを借りられる。
部屋の掃除や人生相談、など何でも幅広く対応してくれる。
つまり。
おじさんと一緒に合コンすれば僕はモテる
いくら彼女のできたことのない僕であっても、おじさんには勝てる。
というわけで今回僕+JD3人+おじさん2人という構成の合コンを行なった↑
当日、人生で初めて合コンをセッティングした僕は気合い十分に「合コン 渋谷 オススメ」に向かった。店につき、現地集合のおじさん達と合流した。
JDはいい感じ。おじさんもいい感じ。さあ宴の始まりだ。
会が始まるとまず自己紹介タイムに入る。各々年齢と異性へのアピールポイントをプレゼンして貰った。JDが小慣れた様子で自己紹介を終えると、注目のおじさんの番である。
おじさん1「46歳です。女性を楽しませるためにどこでも連れて行きます。」
誠実で大人の余裕を感じさせるアピールだ。しかも内容とは裏腹に、自己紹介の慣れていない感じもおじさんならではの可愛らしさが滲んでいて、かなり美味しい。
おじさん2「48歳です。楽器ができます。あそこにおいてあるバイオリンもご希望があれば弾けます」
合コンの会場は生バンドの演奏を聴きながらイタリアンを楽しむワインバーだった。なんとおじさんはそのセッションに参加できると言うのだ。
これには僕含めて女性陣も心をガッチリ掴まれていた。
僕はというと童貞色を散りばめたアピールにより女性陣の心を掴むことに失敗。
スタートで出遅れてしまった。
そこから30分ほどフリートークを愉しんだ。
ここで分かったおじさんのトーク力たるや!
経験が豊富だからエピソードを語るのもうまい、
逆に柔らかい受け答えで話を聴くのもうまい。
最強。
時間が終わりに近づいたので合コンらしいゲームをしてみようと提案した。
「愛してるゲーム」
時計回りと反時計回り任意の向きの隣席に愛を囁ぬく、これをどんどん繋げていく。誰かを照れさせたら勝利という頭の弱いゲーム。
やってみた。
おじさんがJDと愛を囁き合う時間。
混沌。
これが見たくてこの企画をやっていたようなものだ。
僕はというと、
おじさん1「愛してる」
僕「愛してる」
おじさん1「愛してる」
僕「愛してる」
おじさん1「愛してる」
おじさんとの愛を確認することに疲れた僕は、
時計の針を逆向きに回した。
僕「愛してる」
おじさん2「愛してる」
僕「愛してる」
おじさん2「愛してる」
僕「愛してる」
おじさん2「愛してる」
盲点。
このゲーム、当時左右をおじさんに囲まれた僕にとっては虚無。
しかしこうなったらおじさんを本気で落とすしかない。
必死に口説こうと試みるがおじさんは微動だにしない。
にっちもさっちもいかなくなった僕は、
人生で初めてそしておそらく最後
おじさんの耳にキスをする事になるとは。
このゲーム、僕はおじさんの耳の柔らかさのみを知って終わった。
あ、あと
おじさんにおじさんをじっくり口説かせるのも意味分かんなくてよかったですね。
時間も残り5分と近づいたので最後の質問。
彼氏・セフレ・奴隷にするなら?という質問を女性3人に聞いた。
彼氏だと思う人の手を握って貰う。
結果、
1人目
2人目
3人目
おじさま達の手が取られる。
行き場を失った手の温もりを
僕はそっと握りしめた。
奴隷3票を集めた僕はシュードラ。
いやさらにその下、不可触民か。
勝利には然るべき理由があり.逆もまた然りである.
25年間、怠惰に逃げ、経験値を詰まなかった男と
50年間、人生経験を積んだ包容力の権化たるおじさま方
その魅力の差は歴然。
おじさんのトークはめっちゃ面白いし、こちらの話を聴くのもうまいし、優しい。
魅力的なおじさんになりてぇ…そんな夢を見た。
まずはこのカーストを登ろう